日中経済協(xié)會
調(diào)査部長 高見澤學
今年5月14、15日の2日間にわたり、北京において「一帯一路」國際協(xié)力ハイレベルフォーラムが開催された。本フォーラムは、今年中國が最も力を入れるイベントの一つとして位置付けられていることもあり、100を超える國、國際機関などから約1,500名が參加する大會議となった。
ロシアのプーチン大統(tǒng)領(lǐng)やイタリアのジェンティローニ首相など29カ國の首脳が居並ぶ中、日本からは自民黨の二階俊博幹事長のほか、松村祥史経済産業(yè)副大臣、今井尚哉総理秘書官、榊原定征経団連會長等が參加した。この構(gòu)想の実現(xiàn)に向け、中國政府が本気になって取り組むのは當たり前だが、「一帯一路」沿線國のみならずこれほど多くの関係者が參加したことは、各國の「一帯一路」建設(shè)に対する関心や期待の高さを証明していると言えよう。
今次フォーラムの開幕式で、習近平國家主席が述べたように、今人類社會は歴史的な大発展、大変革、大調(diào)整の時代を迎えていることは間違いない。そして、それに伴い新たな困難やリスクに直面することも當然のこととして覚悟しておくべきだろう。
中國が提唱するこの「一帯一路」構(gòu)想は現(xiàn)代版シルクロードとも呼ばれ、従來の國際秩序に対抗し、経済協(xié)力を梃に新たなグローバル化の枠組みを構(gòu)築する狙いがあるものとして警戒する見方もないわけではない。しかし、その基本的な出発點をみれば、決してその懸念が現(xiàn)実的なものでないことが分かる。
今回の演説で習主席は、古來シルクロードが東西に平和と協(xié)力をもたらし、文明の開放による発展と民族の融合による共存を?qū)g現(xiàn)し、相互に學び合い手本とし、相互に利益を享受し大きく発展?繁栄してきたという歴史的な役割に注目し、この歴史から學ぶことの重要性を強調(diào)している。シルクロード建設(shè)の出発點が高い哲學的発想を前提にしているのであれば、その結(jié)果もまた質(zhì)の高い形となって具現(xiàn)化されるとの考えなのだろう。それと同様に、現(xiàn)代版シルクロードの建設(shè)が現(xiàn)狀に即した高い理想を出発點とするならば、それに見合った結(jié)果が得られるということになる。