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新中國(guó)最初のチベット族の博士のゲレェさんを訪ねて
50數(shù)年前、貴族の家の炊事場(chǎng)から客間に通じる廊下で震えていたまだ幼いゲレェさんは、母親とともにここで一生働かなければならないのだと思い、その後、新中國(guó)で最初のチベット族の博士になるとは思ってもいらなかった。というのは、幼い頃から、良い生活をする願(yuàn)いは「來(lái)世のことよ」と教えられてきたからだ。
現(xiàn)在、中國(guó)チベット學(xué)研究センターで、副総幹事をつとめているゲレェさんは、かつて三回もダライラマの個(gè)人代表と座談したことがある。また、數(shù)多くの都市で博士課程の學(xué)生たちを指導(dǎo)し、何回も外國(guó)へ學(xué)術(shù)交流に赴ったことがある。
ゲレェさんの家は四川省ガンズェ（甘孜）チベット族自治州にあり、1956年に民主改革が行われていた。「民主改革がなければ、わたしはいまだに農(nóng)奴のままであっただろう」と彼は言う。
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「言葉が話せる家畜」から土地をもつ自由な人間に
ゲレェさんは1950年に四川省ガンズェ?チベット族自治州ガンズェ県のある村に生まれ、今でも自分の誕生日はいつなのか分からない。母と姉は領(lǐng)主の財(cái)産としてもう一人の領(lǐng)主に贈(zèng)り、ゲレェさんは生まれたときから父親と一度も會(huì)ったことがなかった。
「わたしたちは農(nóng)奴の中では最低の層に屬し、身につけている服のほか何もない。一家は貴族の炊事場(chǎng)と客間の間の廊下に寢泊まりし、晝間に著ているチベット族の服を夜は布団としていた。代々貴族のために働き、『言葉が話せる家畜』と見(jiàn)なされていた」と言うゲレェさん。
幼いころのゲレェさんの意識(shí)には、この世には鬼神や寺院、農(nóng)奴の働きがあるほか何もないと思っていた。「生まれてからそのように仕つけられたので、幸せな生活を來(lái)世のことと考えるしかできなかった」と彼は語(yǔ)る。
1956年、地元の農(nóng)奴たちは初めて自分の土地と家を持つようになった。チベットの伝統(tǒng)的な社會(huì)ではこれらのものはもっとも大切な財(cái)産であった。土地がなければ財(cái)産がないのと同じことで、発言権もなく、社會(huì)的地位もないこととなった。
「長(zhǎng)年チベットの農(nóng)奴であった人たちは初めて自分の土地をもつようになり、當(dāng)時(shí)の農(nóng)奴たちはまだズボンもなく、衣服がボロボロであったにもかかわらず、みんなは欣喜雀躍して心の底から喜んでいた」とゲレェさんは語(yǔ)る。
ゲレェさん一家が分配された家屋は地元のある中等貴族の家から沒(méi)収したもので、そこに寢泊まりした最初の夜、一家はみんな一睡できなかった。「內(nèi)裝を一新したばかりの新しい部屋は、窓ガラスもちゃんとついていて、明かりをつけると自分の姿がガラスに映るので、とても珍しく、不思議であった。ある倉(cāng)庫(kù)にはまだバターのミルクの殘りカスが少し殘っていたので、みんなそれをつまんで食べた。それまでこんなに美味しい物を食べたことがなかったのだ」とゲレェさんは語(yǔ)る。
30のチベット文字の字母から40萬(wàn)字の博士論文へ
ゲレェさんは、自分の社會(huì)的地位を変えるにはラマになるしかないと以前は思っていた。母親のたっての願(yuàn)いで、5歳のゲレェさんは領(lǐng)主の読経堂で大鼓を打ち鳴らし祈禱することを許された。そこで彼は経典を読むラマたちについて仏教の経典を勉強(qiáng)することができた。「わたしの勉強(qiáng)は一家の働きを代価として取り換えたものなのだ」と言うゲレェさん。
「紙と筆もなく、壁に穴を開(kāi)け、光が穴から射してくると勉強(qiáng)が始まる。ラマたちについて読経するだけで、意味は分からないままであったが、読み間違ったら毆られるのだった」と。こうして半年後にゲレェ君はチベット文字の30の字母を覚えた。
1956年、政府は地元で小學(xué)校を開(kāi)設(shè)し、ゲレェ君はやっと學(xué)校でチベット語(yǔ)と漢語(yǔ)を勉強(qiáng)することができるようになった。「それ以後人類(lèi)とは何か、地球とは何かを知り、また天安門(mén)を知ることになった」というゲレェさん。
ゲレェさんは、小學(xué)校から學(xué)費(fèi)を払ったことがなく、國(guó)が食費(fèi)を支給してくれたばかりか、衣服さえ與えてくれ、中學(xué)校に入ると、三年間連続で一等奨學(xué)金を獲得していた、と言う。
1964年、中學(xué)校を卒業(yè)したゲレェさんは成都にある西南民族大學(xué)の中等専門(mén)クラスに入學(xué)した。四年後、「チベット語(yǔ)翻訳専攻」のクラスを卒業(yè)し、故郷のガンズェチベット族自治州に戻って仕事をすることになった。1978年に中國(guó)社會(huì)科學(xué)院の民族研究所に入所し、少數(shù)民族、特にチベット族の社會(huì)と歴史を研究することになった。
1986年にゲレェさんは博士論文を書(shū)き上げ、しかも中山大學(xué)の人類(lèi)學(xué)學(xué)部での答弁がスムーズに認(rèn)められ、新中國(guó)で養(yǎng)成した最初の人類(lèi)學(xué)博士となり、そして最初のチベット族出身の博士となった。彼は北京で中國(guó)初のチベット學(xué)研究センター設(shè)立の企畫(huà)と建設(shè)の作業(yè)に參加した。
ダライラマの兄との論爭(zhēng)
1988年から89年までに、ゲレェさんは前後として、アメリカのインディアナ大學(xué)とカリフォルニア大學(xué)ロサンゼルス校に客員教授として招かれた。その間、彼はダライラマの兄、アメリカのある大學(xué)で教授となっていたジンメイトゥプテン?ノオブ氏と出會(huì)い、激しい論爭(zhēng)をした。
「ダライラマの兄は、チベット族と漢族は水と火のような関係にあり相入りないのだと言ったのに対して、わたしは、悪人と善人は民族で分けるのではなく、どの民族にも善人もいれば悪人もいる。一つの民族がすべて悪人、一つの民族がすべて善人だというのはなぜか、と言い返した。彼は返す言葉がなかった」とゲレェさんは語(yǔ)る。
「民主改革以前、わが家の人々は農(nóng)奴で、ダライの兄は生き仏だった。農(nóng)奴のすることは働き、物を運(yùn)び、種をまき、取り入れをすることのみで、ほかのことをするのは絶対に許されなかった。しかし、今ではわたしは中華人民共和國(guó)の學(xué)者として、學(xué)術(shù)交流活動(dòng)のために、アメリカのアカデミー院に招かれる身分である」
「民主改革がなければ、ダライの兄と対等の資格で論爭(zhēng)することはどうしてもできなかっただろう。わたしは大きな自信と誇りを持っている」とゲレェさんは言う。
現(xiàn)在、ゲレェさんは毎年チベット族の地域へ調(diào)査や研究に赴いている。「どのように『持続可能な発展』という理論をチベットに生かし、チベットの文化と環(huán)境を損なわないという前提條件の下で経済を発展させ、すばらしい現(xiàn)代化のチベットを建設(shè)するかは、研究に値する課題だと思う」と彼は語(yǔ)った。
2008年7月にゲレェさんは學(xué)者としてダライの個(gè)人代表と座談し、彼らに建設(shè)中の中國(guó)で最初の國(guó)家クラスのチベット族文化博物館について紹介した。この博物館は北京にあり、やがて竣工するが、2000點(diǎn)以上の珍しい文物がみんなの前に展示されることになっている。博物館の展示テーマは「チベット――あこがれの地」である。
「チャイナネット」2009年3月23日
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