李家祺＝文 

セルビアのノヴィサドでは早朝、朝日を浴びる「ソコ」號(hào)列車がドナウ川をまたぐハンガリー?セルビア鉄道の鉄道橋を急速に駆け抜けている。 

セルビア語(yǔ)で「ソコ」はハヤブサの意味。「ハンガリー?セルビア鉄道のベオグラードとノヴィサドを結(jié)ぶ區(qū)間では、まるで『ソコ』が飛ぶかのような速度を體験することができます」と、ノヴィサド駅で40年働く駅長(zhǎng)のシモヴィッチさんは感慨深く語(yǔ)る。「前回セルビア鉄道が整備されたのは、まだ私が仕事を始めたばかりのことでした。中國(guó)に感謝したいです。高速鉄道の夢(mèng)を?qū)g現(xiàn)してくれました」 

環(huán)境と効率を両立 

２０２２年３月19日、「一帯一路」國(guó)際協(xié)力プロジェクトとして、中國(guó)と中東歐関係諸國(guó)が共同で建設(shè)するハンガリー?セルビア鉄道（セルビアの首都ベオグラードとハンガリーの首都ブダペストを結(jié)ぶ鉄道）のセルビア國(guó)內(nèi)のベオグラードとノヴィサドを結(jié)ぶ區(qū)間（以下、ベノ區(qū)間）が正式に開(kāi)通した。 

「私たちはこの路線の常連です」と、市民のマティーナさんは語(yǔ)る。ノヴィサドに住んでいるが、夫はベオグラードで働いており、ほぼ毎日通勤している。ベノ區(qū)間の開(kāi)通後、もともと90分以上だった所要時(shí)間が30分程度まで短縮され、夫婦の暮らしはより便利になった。 

舊ハンガリー?セルビア鉄道は１００年以上前に建設(shè)され、平均速度はわずか時(shí)速40?だった。今回の整備によりベノ區(qū)間の最高速度は時(shí)速２００?に達(dá)した。アプリからチケットを購(gòu)入すると、料金は往復(fù)で９６２ディナール（セルビア通貨、日本円で約１３２５円）。今年５月までに、ベノ區(qū)間では１日平均62本の旅客列車が運(yùn)行され、乗客は計(jì)７００萬(wàn)人を超えた。 

速度が大幅に向上しただけでなく、ベノ區(qū)間の開(kāi)通により、観光客は高速鉄道でドナウ川を渡り、悠久な歴史を持つセルビアの２都市を１日で巡ることができるようになり、沿線の観光業(yè)のさらなる活性化につながった。 

ハンガリー?セルビア鉄道プロジェクトが始まった當(dāng)初、建設(shè)チームは10カ月かけて１３００?もある詳細(xì)な環(huán)境影響評(píng)価報(bào)告書(shū)を作成した。「例えば、川をまたぐ鉄道橋の橋腳や支承の工事において、河川を汚染せず、川の流れを確保するよう、非常に厳格な案を?qū)g施しました」と、中國(guó)鉄路國(guó)際公司ハンガリー?セルビア鉄道セルビア區(qū)間プロジェクト副総エンジニアの段偉さんは説明する。 

ハンガリー?セルビア鉄道プロジェクトは、従來(lái)の鉄道の全面的なアップグレードであり、運(yùn)営しながら整備作業(yè)を進(jìn)める必要があったので工事は一層難しかった。 

「家屋のリフォームで例えるなら、完全に解體してから再建するのではなく、正常な使用を確保しながら改裝を進(jìn)めるのです」と、ハンガリー?セルビア鉄道セルビア區(qū)間プロジェクト工事部の李偉副部長(zhǎng)は述べた。工事を進(jìn)める中で、運(yùn)営側(cè)や沿線住民のさまざまな要望をできるだけ考慮したという。検討に検討を重ねた末、中國(guó)の鉄道の技術(shù)と設(shè)備、ソリューションはヨーロッパ市場(chǎng)で認(rèn)められた。「ベノ區(qū)間でのこの２年間の運(yùn)行の成功が最も良い証しです」と李副部長(zhǎng)は語(yǔ)る。 

地元の技術(shù)人材育成に注力 

昨年10月17日、全長(zhǎng)１４２?、最高時(shí)速３５０?のジャカルタ?バンドン高速鉄道が正式に開(kāi)通した。これは、インドネシアひいては東南アジア初の高速鉄道であり、全線で中國(guó)の技術(shù)と基準(zhǔn)が採(cǎi)用されている。 

かつて、ジャカルタとバンドンを結(jié)ぶ普通の鉄道の時(shí)速はわずか50?だったが、ジャカルタ?バンドン高速鉄道の完成により、両都市間の移動(dòng)時(shí)間は３時(shí)間以上から40分程度まで短縮された。今年７月まで、ジャカルタ?バンドン高速鉄道の利用者數(shù)は延べ４００萬(wàn)人以上に上る。 

ジャカルタ?バンドン高速鉄道が走るジャワ島は、インドネシアで人口密度が最も高い島で、常住人口はインドネシア全體の約半分を占めている。また、経済?文化が最も発達(dá)した地域でもある。 

ジャカルタのハリム駅から高速鉄道で10分ほどでカラワン駅に到著できる。カラワン県には西ジャワ州で最も有名な工業(yè)団地があり、多くの外資系の自動(dòng)車製造工場(chǎng)が存在している。 

「工場(chǎng)は高速鉄道の駅から車で約30分で著くことができ、各地の企業(yè)関係者の商談や見(jiàn)學(xué)がより便利になりました」と、上海自動(dòng)車グループと米ゼネラルモーターズ、広西自動(dòng)車グループの合弁會(huì)社である上汽通用五菱汽車モータース?インドネシアのアリフ?プラマダナ副総経理は述べた。 

「高速鉄道は人のほかに、発展のチャンスも運(yùn)んでいます。交通ハブを中心に新しい都市建設(shè)が計(jì)畫(huà)され、新たな成長(zhǎng)分野と雇用を創(chuàng)出することが期待できます」と、西ジャワ州のリドワン?カミル前知事は語(yǔ)る。「そのほか、高速鉄道の整備によって、西ジャワへの海外からの投資の魅力がいっそう高まり、ハイテク産業(yè)や製造業(yè)分野への投資の増加と、さらなる経済発展につながるでしょう」 

ジャカルタ?バンドン高速鉄道プロジェクトの建設(shè)において、中國(guó)側(cè)の建設(shè)チームは地元の技術(shù)人材の育成に大いに力を入れてきた。 

ハイルル?イクマルさんは西ジャワ州プワカダ県マランネンガ村の住民で、もともとは他の地域の靴工場(chǎng)で働いていたが、２０１９年に中國(guó)電力建設(shè)グループ水電第七局のジャカルタ?バンドン高速鉄道プロジェクト部に加わり、研修を受けて溶接工になった。 

「多くの村の人々が私と同じように、プロジェクト部で仕事を見(jiàn)つけ、収入が大幅に増えました。新しい家具や家電を購(gòu)入した人がたくさんいますし、私もバイクを買いました」とイクマルさんは語(yǔ)る。プロジェクトが終われば溶接加工店を開(kāi)き、プロジェクト部で５年間學(xué)んだ技術(shù)を生かして、フェンスや面格子などを製作する計(jì)畫(huà)だという。 

統(tǒng)計(jì)データによると、ジャカルタ?バンドン高速鉄道の建設(shè)期間中、研修機(jī)関の設(shè)立や中國(guó)人作業(yè)員が地元の人々に作業(yè)のノウハウを教える「師弟制度」、現(xiàn)場(chǎng)での実習(xí)などを通じて、インドネシアの従業(yè)員を計(jì)４萬(wàn)５０００人育成した。今年７月、インドネシアの運(yùn)転手が単獨(dú)で時(shí)速３５０?のジャカルタ?バンドン高速鉄道列車を運(yùn)転した。これにより、インドネシアの自主運(yùn)営に向けた基盤(pán)が築かれた。 

インフラの相互連結(jié)は「一帯一路」イニシアチブの重要な內(nèi)容だ。疾走する「中國(guó)の高速鉄道」は、同じ地球に住むより多くの人々に幸せへの道を開(kāi)き、開(kāi)放?協(xié)力、互恵?ウインウイン、そして文化の交流を大いに後押ししている。

「人民中國(guó)インターネット版」2024年9月26日